いきなりですが、うつぶせになってくださいって英語でどう頼みますか?
難しいですよね。
日常英語で誰かにうつ伏せになってくださいって頼む場面は、相手と親密な関係でない限りないです(笑)
ニュアンスを間違えてしまうと、ちょっと怪しく聞こえてしまいます。
あと、体位変換のコツは分かりやすい指示を、命令口調ではない感じに頼むのも大切です。これが案外難しいんですよね…
この記事では前の記事の問診のフレーズに続いて、体位変換の指示の際に使える「型」を紹介しながらフレーズを紹介していきます
体位変換の際に使える「型」
このチャプターでは命令口調に聞こえがちな指示を和らげる言い方の「型」を3つ紹介します。
Can you… for me?
(○○が出来ますか?)
→For me(私のために)をつけることで命令口調ではなく頼み事というニュアンスがうまれます。
Let’s ○○
(○○しましょう)
→Let’sをつけることで一緒にというニュアンスがうまれるのでフレンドリーに聞こえます。
Have a ○○
(○○してください)
動詞「have」に続けて提案や行動を示すことで、要求を和らげる効果があります。
例えば、Have a lie down on the bed (ベッドに横になってください)というように使います。
よく使われる、”Please have a seat”(座ってください)も同じパターンの礼儀正しい言葉遣いですね。
指示ではなく、提案する場合に使えるフレーズは
Feel free to…
(遠慮なく、良ければ…)
例えば、”Feel free to have a seat” 「(良ければ)どうぞお座りください。」という意味で使えます。
ではフレーズの解説に入っていきましょう。
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立ってください、座ってくださいのフレーズ
Can you sit down for me?
(座ってください)
→直訳すると私のために座れますか?になりますが、(私のために)座ってくださいという意味になります。Sit downだけだと「座れ」という命令口調のニュアンスになってしまうのですが、For me?をつけることで命令口調ではなく頼み事というニュアンスになります。
Can you stand up for me?
(立ってください)
→stand up だけだと命令口調に聞こえるので、For me?をつけることで命令口調ではなく頼み事というニュアンスになります。
Please have a seat
(座ってください)
→Sit downは「座る」、have a seat は「お座りになって」というニュアンスがあります。
Let’s stand up
(立ちましょう)
→Let’sをつけることで一緒にというニュアンスがうまれるのでフレンドリーに聞こえます。Stand up は語尾を上げることでよりフレンドリーに聞こえます。
施術台の上での体位変換のフレーズ
一番ニュアンスが難しいのが施術台の上での体位変換のフレーズです。何個か紹介していきましょう。
注:訓練台、施術台のことを英語では “Bed” や”Plinth” といいます。
Can you lie on your back, on the bed?
(仰向けになってください)
→発音するときは、Can you lie on your back で少し間をおいて、on the bed? がおすすめです。このように1つの指示に2つのパーツがある場合、パーツごとに少し間を置くことで指示が伝わりやすくなります。
Can you lie on your back, facing the ceiling?
(仰向けになってください)
→Facing the ceiling – 「天井を向いて」になります
Can you lie on your side, facing me?
(私のほうを向いて横向きになってください)
→ “Can you lie on your right side” “Can you lie on your left side” でも伝わりますが、”Facing me” 「私を向いて」や、”Facing the wall” 「壁を向いて」のほうが理解しやすいと思っているので私はそのようなフレーズを使っています。
Can you lie on your back, with your knees bent?
(仰向けになって膝を曲げてください)
この体制(両膝立て背臥位)は “Crook lying” と言われていています。
Can you lie on your stomach?
(うつぶせになってください)
この体制(腹臥位)は英語で “Prone position” と言われています。
Place your head in the hole in the bed
(ベッドの穴に頭を入れてください)
→Putではなく、Placeということで丁寧さが増します。
PutとPlaceはどちらも「置く」という意味がありますが、ニュアンスに違いがあります。一般的に、Putは物を置くときに広く使える便利な動詞です。Placeは優しい気持ち、大切に取り扱う、丁寧に置く気持ちが加わります
Feel free to dangle your hands by the side of the bed
(良ければ)ベッドの端に手をぶら下げてください。
“Dangle”はぶら下げるという意味があります。腹臥位になってもらった際、腕を体の側面に置く患者さんが多いですが、出来る限りリラックスしてもらえるように、腕をぶら下げてくださいと提案する際に使うフレーズです。治療のためにというよりかは患者さんの快適さを考慮した提案なので、”feel free to” を使っています。
Can you sit over the edge of the bed for me?
(訓練台の端に座ってください)
→ベッドの端に座り、足をベッドの外側に垂らすことを意味します。
Can you please move up the bed for me?
(ベッドの上に移動してください)
Can you please shuffle to the right/left?
(ベッドの横に移動してください)
Shuffleは小刻みに動く、や引きずるというニュアンスがあります。お尻をベッドに引きずりながら移動するのでShuffleといいます。
体位変換・ポジショニングは可動域検査・スペシャルテストと一緒に行うので、具体的な会話の流れは、次の記事(可動域検査の記事)で詳しく紹介します。
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